読者への挑戦状とは
ミステリー好きな読者の中でもあまり知られていないのが読者への挑戦状!!
読者への挑戦状とは、読者に分かるように手がかりを説明した上で、探偵が推理を行う直前に差し込まれ、
さあ、あなたはこの謎を解くことはできますか??
と読者自身を探偵として謎に挑戦させてくれるというものです!!
そのため、読者はいつも以上に慎重に物語を読み進めなければならず、どこに手掛かりがあるのかを念入りにチェックして、謎に取り掛かるという没入度の高い体験ができるのです!!
考えながら読み進めなければならないため多少時間はかかりますが、
その分、自分なりの推理を組み立てたり、その謎を解き明かしたときは計り知れない達成感を感じられることでしょう!!
そこで、今回はそんな読者への挑戦状が挿入されているミステリー小説を3つご紹介いたします!!!
どんどん橋、落ちた
この作品は綾辻行人の作品で彼本人の元にさまざまな謎が持ち込まれ
それを読者が一緒に解いていくという短編の推理ものがたくさんある作品です!
- 短編でお手軽に読者への挑戦状を楽しめる
- 図や説明、ヒントなどがきちんと与えられるのでしっかり推理ができる
- 物語の真相がトリッキーだったりするので納得できる人とできない人に分かれそう
読者への挑戦状は普段の読書の何倍も神経をすり減らして読むことになるので、
最初は短編から推理を始めると多少手軽で取り組みやすいと思います!!
物語の真相が明らかになる前に毎回非常にフェアなヒントや情報を与えてくれるので、
解けなかった時は非常に悔しいですし、解けた時はとても爽快感があります!!
ただ、物語の真相はややトリッキーなものが多く、さまざまなヒントが散りばめられてはいるのですが、
そういう視点が必要だったのか!!と思わされる人もいれば、
トリッキーすぎて納得できないと感じる人もいるかもしれません!!
手軽に読者への挑戦状を楽しみたい方や少し変わった真相を推理したい方にオススメです!!1
星降り山荘の殺人
倉知淳の作品である今作は比較的、王道なミステリーの舞台設定でありきたりに思わせてくるかもしれませんが、
読者への挑戦状がしっかり挿入されており、探偵役を読者がやるならミステリーらしい雰囲気の方がやる気がみなぎりますよね!1
- 章ごとの冒頭に推理における重要な説明やヒントなどが差し込まれる
- 山荘での殺人事件という王道展開に探偵になりきる読者の心も躍る
- 物語の真相は最後までわからない
この作品は、話の節目節目の冒頭でこの章は推理には関係ありません!やこの章では推理に重要なキャラが出てきます!といったように
非常にわかりやすく節々にヒントや説明を与えてくれるので、比較的推理がしやすいです!!
そのため、全くわからず放棄するということにはなりにくく、ここを読み返してみようといったような手がかりを探しやすくなっていると個人的に思います!
上述したように、王道展開で探偵気分をこれでもかと味わえるため
ミステリーの独特な雰囲気を肌で感じることができます!
そして、この作品の魅力は推理した後にも存在しています!!
この作品は我々の推理を最後の最後で打ち壊すような驚くべき展開が待っています!
王道な推理を分かりやすいヒントをもらいながらしたい方やその後の驚きを感じたい方はこの本をお手に取ってみることをオススメします!!
ローマ帽子の謎
読者への挑戦状といえば忘れてはいけないエラリー・クイーンの国名シリーズです!
読者への挑戦状を世に広めた作品とも言える今作はこれぞミステリーといった雰囲気を漂わせています!!
- 我々の想像するミステリーの雰囲気をそのまま味わえる
- ヒントなどは少なく、推理をするのは難しい
- 古い作品で時代設定も現代の日本人にとっては身近じゃないので少し読みにくい
今作は、古き良きミステリーの雰囲気を余すところなく味わえ、それに加えて読者は物語の真相を探ることになるので、
探偵気分を味わうといった観点だけで言ったらこれ以上ない作品であること間違いなしです!!
しかし、その分読者に対しての分かりやすさや推理のしやすさは他作品と比べて欠けており、
初めて読者への挑戦状にチャレンジするとしたら中々難易度の高い選択であると思います!
物語の途中には推理における説明やヒントはほとんどなく、真相の直前に短い文章で読者への挑戦状が挿入されているだけです!
また、現代人には身近じゃない舞台設定で、よく知らない単語が出てくることも多いので
しっかり理解したければその都度、調べたりしなくてはならないかもしれません!
ただし、読者への挑戦状というものを楽しむにはこれ以上の作品はないと思うので、
一旦、比較的分かりやすい作品に挑戦してみて、
より深く探偵になりきって推理体験をしてみたいという方は是非この作品でその気分を味わってみることをオススメします!!!
まとめ
今回は、読者への挑戦状が挿入されているミステリー小説を3作品ご紹介しました!!
どれも少し毛色が違っており、それぞれで違う雰囲気や推理の面白さが味わえると思います!!
これらの作品をきっかけにただ受動的に本を読む楽しさも良いですが、さらに深ぼって能動的に推理をするという新たな読書の楽しさに気づいてもらえると幸いです!!